「子ども向けのオンライン英会話」って実際に効果があるの?
子どもが小さいと集中力が続かないんじゃない?
やっぱり対面でコミュニケーションを取った方がいいんじゃないかな?
実は対面の英会話の方がオンライン英会話よりも優れているとは、一概に言えない部分があるのです。
また子ども向けのオンライン英会話は、大人向けのオンライン英会話とは少し違う点があります。
その点も踏まえて、オンライン英会話のメリット・デメリットとおすすめできるお子様の特徴についてお話ししますよ。
オンライン英会話を効果的に始められる年齢についても考えてみましょう。
30代・2児の母
1000人以上の様々な子どもを見てきた元小学校教員。
小学校での情報教育担当を経て
実際にオンライン授業やICT教育に携わってきた筆者が
子ども向けの「オンラインでの学び」についてお伝えしていきます。
【資格】
小学校教諭1種 / 幼稚園教諭1種
秘書検定2級 / FP3級 / 茶道師範etc…
実際の「子ども向けオンライン英会話」について
子ども向けのオンライン英会話には様々なタイプがあります。
対象年齢、レッスン内容、レッスン時間、料金、使用端末等…
詳しくは他の記事でも紹介しています。
まずはざっくりとどんなことをするのか大まかなオンライン英会話のレッスンの流れと、一般的な大人向けのオンライン英会話とのちがいや対面型の英会話とのちがいについても見ておきましょう。
「子ども向けオンライン英会話」のレッスンの流れ
保護者が都合の良い時間にレッスンを予約します。
多くのオンライン英会話サービスでは、お子様の予定に合わせて柔軟なスケジュール設定をすることができます。
指定された時間に、ZoomやSkypeなどのビデオ通話ツールを使ってレッスンが始まります。講師はお子様がリラックスできるように配慮してくれたり、楽しい雰囲気を作ってくれたりしますので、画面ごしでも楽しく学ぶことができます。
レッスンの初めに、軽いアイスブレイクや簡単な会話を行い、お子様が英語を話すことに慣らしてくれます。
お子様の緊張を和らげたり、気持ちを切り替えたりする効果がありますよ。
お子様のレベルに応じた教材を使用し、基本的な単語やフレーズ、フォニックスなどを学びます。
アクティビティやゲームを取り入れることで、楽しみながら学習を進めることができます。
学んだ内容を使って、講師と一緒に会話をする時間が設けられます。
フリートークやロールプレイを通じて、実際のコミュニケーションスキルを磨きます。
レッスンの最後に、講師からお子様の進捗についてのフィードバックが提供されます。
どの部分が良かったか、今後の改善点などを具体的にお子様や保護者に伝えてくれます。
サービスによっては授業風景の録画データをもらえるところも。
必要に応じて、次回のレッスンに向けた復習や宿題が出されることがあります。
これにより、学習内容を定着させることができます。
オンライン英会話の各サービスによって、細かい部分は変わってきますが、多くはこのような流れであると思っておくと良いでしょう。
一般的なオンライン英会話と子ども向けオンライン英会話のちがい
子ども向けオンライン英会話は以下のような特徴があります。
- 基本的な単語学習
子どもの年齢や英語レベルに合わせて、基礎的な単語を学ぶレッスンが提供されている。 - フォニックス学習
正確な発音を身につけるために、フォニックス(音と文字の関係)を学ぶレッスンがある。 - 楽しみながら学ぶアクティビティ
お絵かきや歌、ゲームなどを通じて楽しく英語を学べるレッスンが用意されている。 - 年齢やレベルに合わせたカリキュラム
子どもの年齢や英語力に応じて、適切なレベルのレッスンを選択できるサービスがある。 - 短時間レッスン
子どもの集中力を考慮して、1回5分から15分程度の短めのレッスンを提供しているサービスもある。 - 英検対策
英語検定試験の対策として、試験に特化したレッスンを受けられるサービスも。
一般的なオンライン英会話と子ども向けオンライン英会話のちがいは、子どもが楽しみながら効果的に英語を学べるように設計されていること。
多くのオンライン英会話サービスでは、子どもの興味や学習ニーズに合わせて、基礎的なところから適切なレッスン内容を選択できるようになっています。
子どもでも集中しやすい工夫がされているんだね!
対面型の英会話教室とのちがい
それでは対面型の英会話教室とのちがいは何でしょう。
それぞれ4つのポイントでちがいをまとめました。
- レッスン形式
【オンライン英会話】
インターネットを通じて行われるため、パソコンやスマートフォンを使い、自宅など好きな場所で受講できる。
基本的にマンツーマンのレッスンが多く、講師との会話時間が長くなる傾向がある。
【対面の英会話】
教室に通って講師と直接対面して行うレッスン。
通常、クラス形式で複数の子どもと一緒に学ぶことが多く、リアルなコミュニケーションが求められる。 - コミュニケーションの質
【オンライン英会話】
画面越しのため、非言語的なコミュニケーション(表情や身振り手振り)が伝わりづらく、意図を伝えるためには言葉でのコミュニケーションが重要。
【対面の英会話】
直接会話するため、非言語的な要素が豊富で、相手の反応を直感的に読み取ることができる。
周囲の環境音なども含め、よりリアルなコミュニケーションが体験できる。 - 料金と時間の柔軟性
【オンライン英会話】
教室を持たないため、一般的に料金が安く設定されている。
また、24時間いつでも受講できるサービスもあり、予約も簡単。
【対面の英会話】
教室の維持費やテキスト代がかかるため、料金が高めになることが多い。
レッスン時間も固定されていることが多く、スケジュールの柔軟性は低い。 - 学習スタイル
【オンライン英会話】
自分のペースで学べる一方、自己管理が必要で、モチベーションの維持が難しいと感じる子もいる。
【対面の英会話】
定期的に教室に通うことで、学習習慣を身につけやすいが、他の子どもとの競争や協力が求められることもある。
これらの違いを考慮し、お子様の性格や目的に応じてオンライン英会話にすべきかどうか選ぶことが重要です。
「子ども向けオンライン英会話」のメリット・デメリット
以上の特徴も踏まえて、子ども向けオンライン英会話のメリットとデメリットについてまとめました。
「子ども向けオンライン英会話」の7つのメリット
「子ども向けオンライン英会話」ならではのメリットとして以下の7つが挙げられます。
- コストの安さ
オンライン英会話は、対面式の英会話教室に比べて料金が圧倒的に安い。
1レッスンあたりの費用が非常に低く設定されており、月額プランで無制限に受講できるサービスもある。 - 通学時間や送迎が不要
自宅や好きな場所から受講できるため、通学にかかる時間や交通費、送迎が不要。
保護者が忙しい中でも手軽に英会話を学ぶことができる。 - 柔軟な受講時間
早朝や夜など、お子様のライフスタイルに合わせた時間にレッスンを受けることができる。
また、直前に予約が可能なサービスも多いので急な空き時間も有効活用できる。 - 講師の選択肢が豊富
自分に合った講師を選ぶことができ、毎回ちがった講師を指名することもできる。
これにより、お子様との相性が良い講師を見つけやすい。 - 無料の教材提供
オンライン英会話では、レッスンに必要な教材が無料で提供されることが多く、追加の教材費がかからない。
目的に応じたサービスを選べるため、コスパ良く学習できる。 - リラックスした学習環境
自宅で学ぶため、対面式の英会話教室よりもリラックスして取り組める。
特にグループレッスンが苦手なお子様にとっては、緊張を和らげることができるでしょう。 - 多様な学習スタイルに対応
初心者から帰国子女向け、英検試験対策など、さまざまなコースがある。
お子様の能力に合った学習が可能。
忙しい共働き世帯向けであったり、今の時流に合ったメリットが多いね!
「子ども向けオンライン英会話」の5つのデメリット
逆に「子ども向けオンライン英会話」のデメリットは以下の5つが考えられます。
- 通信環境の影響
インターネット接続が不安定な場合、音声や映像が途切れることがある。
これは受講者だけでなく、講師側の環境にも依存するため、通信トラブルがストレスの原因となることがある。 - 講師の質のばらつき
講師の質には差があり、必ずしも全ての講師が高いレベルの指導をしてくれるわけではない。
特に人気のある講師は予約が取りにくいこともある。 - 自己管理の難しさ
オンライン英会話は自由度が高い反面、学習の継続が難しくなることがある。
目的意識を持たずに受講すると、モチベーションが低下しやすい。 - 対面でのコミュニケーションの欠如
直接対面することがないため、非言語的なコミュニケーション(表情や身振りなど)が不足し、実際の会話の雰囲気を体験しにくい。 - 学習効果の不安
レッスンの内容や講師との相性が合わない場合に学習効果が出ないことがある。
特にオンライン英会話では、英単語やフレーズの「インプット」が少なくなりがちです。
オンライン英会話単体の学習と合わせて、従来の英語学習を併用するのが良いと筆者は考えています。
これらのデメリットを理解した上で、オンライン英会話を選ぶことが重要です。
「子ども向けオンライン英会話」を効果的に活用するポイント
以上のメリットやデメリットを踏まえて、実際に学校現場で教育を研究してきた経験から「子ども向けオンライン英会話」をより効果的に活用するためのポイントや注意点をご紹介します。
「子ども向けオンライン英会話」を効果的に活用するポイント
デメリットを打ち消すために以下のようなポイントを押さえて、「子ども向けオンライン英会話」を活用することをおすすめします。
- インプット学習を併用する。
- 具体的な目標を設定する。
- 子どもと相性の良いプログラム・先生を選ぶ。
- 無料体験を有効活用してから決定する。
インプット学習を併用する
特に幼児期から「子ども向けオンライン英会話」を始める場合、英語に触れる環境が無い限りは基本的な英単語の語彙力が0に等しいと思います。
基本的な英単語をインプットするためには、英語の絵本や歌や映像など目・耳・体などをつかって英語の音声を聞くことを中心に学習していくと良いでしょう。
赤ちゃんが第一言語を習得する際、聴覚を通じて始まります。
音声を聴くことで、言語特有の音の組み合わせを認識する能力が発達し、後の語彙習得や文法理解の基礎となります。
インプット学習であれば、「公文式」が有名です。
筆者も子どもの頃公文式の英語学習をしていましたが、公文式のインプット学習は優秀ですよ。
ちなみに年長の娘も学習していますが、公文式の英語のインプット学習は「絵・音声・文字・歌」を中心としたものとなっており、楽しくどんどん英単語が覚えられています。参考までに。
具体的な目標を設定する
学習のモチベーションを保つために、子どもでも分かりやすい目標を設定してあげましょう。
例えば以下のようなもの。
- 英検5級に合格
- TOEIC400点以上
といったお子様のレベルのに合った目標です。
あわせて目標期間も設定してあげると良いでしょう。
子どもと相性の良いプログラム・先生を選ぶ
お子様と相性の良い学習プログラムや先生を選ぶことは、お子様の学習意欲が高まることにもつながります。
学習プログラムの相性の良し悪しをチェックする視点としては
- 子どものレッスン後の表情や態度が前向きか
- 子どもの理解度に合っているか
- 保護者と先生で子どもの情報を共有する場があるか
先生との相性の良し悪しをチェックする視点としては
- 子どもが理解できていない時の対処法はどうか
- 非言語コミュニケーション(表情、ジェスチャーなど)を活用しているか
- 子どもの興味を引き出す工夫があるか
以上のようなポイントをチェックしてみると良いでしょう。
無料体験を有効活用してから決定する
オンライン英会話に限らず、オンラインの習い事では必ずといっていいほど無料体験があります。
色々な「子ども向けオンライン英会話」を体験してみて、一番お子様に合ったものを見つけるのが良いでしょう。
お子様が無料体験レッスンをしている様子を見て、前述しているチェックポイントを確認してみるのが良いと思います。
- 子どものレッスン後の表情や態度が前向きか
- 子どもの理解度に合っているか
- 保護者と先生で子どもの情報を共有する場があるか
- 子どもが理解できていない時の対処法はどうか
- 非言語コミュニケーション(表情、ジェスチャーなど)を活用しているか
- 子どもの興味を引き出す工夫があるか
「子ども向けオンライン英会話」はどんな子どもにおすすめ?
それでは「子ども向けオンライン英会話」がおすすめなのは、どんな特徴のお子様でしょうか。
「子ども向けオンライン英会話」がおすすめな子どもの特徴
- 英語や海外に興味がある子ども
- 自分のペースで学びたい子ども
- グループレッスンが苦手な子ども
- 積極的にコミュニケーションを取りたい子ども
- 習い事などで忙しい子ども
以上のようなお子様にはオンライン英会話が向いていると筆者は考えます。
一見「オンライン英会話」とだけ聞くとコミュニケーション力の高い子に合っていそうです。
しかしマンツーマンで学べるという点では、大勢の中だと萎縮してしまうようなお子様や
学習に集中しにくいというお子様でもその子に合ったペースで学習が進められるので学習効果が高いと考えられます。
コミュニケーションが苦手だけど英語には興味がある…そんなお子様が飛び込んでみるには良い習い事です!
「子ども向けオンライン英会話」をおすすめしない子どもの特徴
- 英語に対して強い苦手意識がある子ども
- 人見知りが激しい子ども
- 自発的に話すことが苦手な子ども
- 特別な学習ニーズがある子ども
そもそも英語に興味がなかったり拒否反応を示したりするような場合は、オンライン英会話を無理強いはしない方が良いでしょう。
また自発的に話すことに抵抗があったり、人見知りが激しかったりしてマンツーマンでの会話も難しいというお子様の場合も、オンライン英会話は強いストレスを感じる可能性があるのでおすすめできません。
そして発達障害や学習障害がある子どもの中には、オンラインでの学習形態に適応するのが難しい場合もあります。
一人一人お子様の特徴は違います。
特に幼いお子様の場合は対面型かオンライン型かどちらがお子様に合っているのかは、お子様の様子を見て保護者が判断してあげてください。
うちの子は発達障害だから…と一概に全員がオンライン学習に向いていないということはありません。
どんな子でも向き不向きはありますので、日ごろのお子様の様子をよく見ているお家の方が判断してあげてくださいね。
オンライン英会話は何才から始めるべき?
ずばり始めるなら3才以上です。
アルファベットに興味を持ち始めた頃が始め時です。
理由としてはまず、オンライン英会話の対象年齢が3才以上のところが多いことが一つ。
そして言語習得の臨界期と呼ばれる3才~10才頃までに始めることで、ネイティブの発音を聴き取る耳が育ち、発音・リスニング力にも影響してくるようです。
ただし、あまりに早すぎる時期から始めるとレッスンが成立しないということも起こり得ます。
お子様の様子や発達に合わせて始めてあげると良いでしょう。
「子ども向けオンライン英会話」のまとめ
子ども向けオンライン英会話は意味がないのか?
それは「お子様の特徴とサービスの相性による」と言えます。
オンライン英会話に限らずオンラインの習い事全てに言えることですが、実際にやってみないとその子に合うかどうかは分かりません。
それを確かめるためにオンラインの習い事の多くは無料体験がついています。
まずは気になるものから1つずつ試してみて、お子様に合ったサービスを見つけてみましょう。