3歳から習い事なんて早いんじゃない?
きっとそうお思いの方は多いでしょう。
実は赤ちゃんが言語を習得し始めるのは1歳頃から。
発語までのプロセスは以下の順番であると言われています。
- 聞く →
- 話す →
- 読む →
- 書く
耳で聞くことから言語習得が始まり、1歳頃に1語文が、早い子ですと1歳半頃に2語文を習得、2~3歳頃までに3語文を話せるようになるのが一般的な成長です。
さらに人間の脳は3歳までに80%、6歳までに90%、12歳までに100%完成すると言われています。
・ヒトの大脳皮質視覚野のシナプス密度は1歳前後で最大となり、3~4歳までは大人より多い
・就学前に適切な教育刺激を受けておかないと、その時期にしか発達しない能力が十分に発達しない
文部科学省幼児教育課「幼児教育の無償化の論点」より
引用にもあるように、3歳頃までにたくさんの刺激を脳が受けることで、シナプス(神経細胞を接続する物質)による接合が急速に拡大します。
そして、早めの教育刺激は今後のお子様の発達にも大きく影響があるということが分かってきました。
つまり3歳時点で何かしら子どものための育児アクションを起こすことが早すぎるというわけではありません。
3歳までに出来るだけ五感を刺激しながらたくさんの情報をインプットしてあげましょう。
その点を意識して育児をしてきたためか、年長の娘は語彙力が多いと保育園の先生にもよく驚かれます。
絵本を読む速度も速く、習っていない漢字も文章の前後から読み方を推測してすらすらと読むことができますよ。
3歳のお子様にどんな良い刺激を与えることができるか、どのように接していけばよいのか。
3歳育児を終えた私の経験から、少しでもこの記事が参考になると嬉しいです。
30代・2児の母
1000人以上の様々な子どもを見てきた元小学校教員。
小学校での情報教育担当を経て
実際にオンライン授業やICT教育に携わってきた筆者が
子ども向けの「オンラインでの学び」についてお伝えしていきます。
【資格】
小学校教諭1種 / 幼稚園教諭1種
秘書検定2級 / FP3級 / 茶道師範etc…
そもそも3歳児に習い事なんて必要ある?
3歳児に「習い事」は早いと感じられている方は多いのではないでしょうか。
3歳児に最も必要なのは親子のスキンシップと遊びであると考えています。
当然ではありますが、3歳児の習い事というのは全て親子で一緒に行うものであるのが前提です。
普段積極的にお子様と月齢に合ったスキンシップを取れている方であれば、習い事は「必要ない」と言えます。
思い返してみてください、あなたは実際に日々の生活の中でお子様とどのようなスキンシップを取っているでしょうか。
子どもの成長過程に見合ったスキンシップは取れていますか?
私は元教員で育児の知識も多少は持っていましたが、日々の家事と育児に必死で家にいる間は絵本を読んであげたり一緒におもちゃで遊んであげるくらいしかできていませんでした。
どこかに出かけると言っても公園や児童館くらい。
しかも公園や児童館では子どもが遊んでいるのを見守っていたり、家と同じような関わり方しかしていません。
そこで「習い事」を日々の生活に組み込むことで、一気に子どもとの関わり方の幅が広がります。
親自身の生活にもメリハリが出ますし、自然と親子のスキンシップ時間が取れて一石二鳥の効果があります。
子どものためだけではなく、親である自分のためにもなるのが「3歳児の習い事」であると思っています。
3歳児の習い事のメリット~4つのポイント~
3歳児の習い事のメリットを見てみましょう。
①社会性の根っこが育つ
家族以外の人との関わりが増えることで、お子様の社会性の根幹部分が育ちます。
3歳児は、まだ他者との関わりを理解し始める段階にあります。
家族だけでなく、習い事で関わる人たちとの交流を通じて、家族ではない他者との関係性を学びます。
習い事によっては、同年代の子どもたちと一緒に遊ぶ機会を通じて、協力や共同作業の基本、遊びのルールやお互いの意図を理解し始めることが期待できます。
習い事を通じて他の子どもたちや先生などとの関わりが増え、コミュニケーション能力や協調性が養われるでしょう。
【脳・言葉の発達】
- 3語文で話し始める
- 自分の名前が言える
- 物の比較ができる
- 大まかな時間の感覚が分かってくる
- 色や物の名前が分かる
- 数の概念が育ってくる
- 自分の気持ちを伝えられる
【身体の発達】
- 走りが安定してくる
- ジャンプや蹴る動きができる
- ブランコに一人で乗れる
- 三輪車がこげる
- ジャングルジムに上れる
- けんけんができる
- クレヨンやはさみが使える
3歳児のコミュニケーションは、早い子では3語文で思いを伝えることができ始めます。
言葉の発達には個人差がありますが、会話のキャッチボールができるようになってきてグンと語彙力も増えてきます。
運動能力も2歳児の時よりも伸びてきますので、できる遊びも増えていきます。
②興味関心が広がる
3歳児の習い事にも様々なものがあります。
例えばリトミックであれば、音楽に親しむことで音楽的な感性やリズム感が育まれ、同時にバランス感覚や身体能力も養われます。
他にもお絵描き、スイミング、体操、スポーツなどお子様の様子を見ながら色々なものに触れさせてあげると「お子様の好きや得意」が見つかるかもしれません。
「好きこそものの上手なれ」
早いうちからお子様の好きや得意を見つけられると良いですね。
③生活にリズムが生まれる
習い事をしていると、毎日の生活にメリハリが出ます。
特に私自身1人目の育休中は、体調不良もあり生活リズムが崩れることが多かったのですが、予定が決まっている日は自然と生活リズムが整いました。
週1回の習い事だとしても、お子様にとっては刺激になりますし、1週間の間隔が身についてきます。
月曜日は児童館、火曜日は習い事、水曜日は公園…といったように一週間の予定に組み込んでみてはどうでしょうか。
④親の学びや交友関係が広がる
やはり「習い事」を始めると良いのが、外部との接触する機会が増えるということです。
筆者は結婚を機に地元から離れたところに住むことになり、育児期間中は中々友達と会うということがなく、公共の施設も行きにくい場所にあったので自然と人との関わりが減ってしまいました。
特に初めての育児であれば分からないことも多く、自分の時間が育児により奪われてしまう感覚に慣れていません。
その上人との関わりが無くなると本当にストレスが溜まるんです。
「習い事」を始めると、習い事の先生や、同世代のお母さん方とお話をする機会も増えます。
特に悩みを打ち明けるというようなことをしなくても、家族以外の大人と話せる機会があるだけでモヤモヤした気持ちが吹き飛びます。
結果お子様との関わり方にも余裕ができ、より良い親子関係に持って行くことができます。
お母さんの心の余裕をつくることはとても大切なのです。
3歳児の習い事のデメリット~4つの注意点~
逆に3歳児の習い事にはどんなデメリットがあるのでしょうか。
気をつけておきたいポイントを見てみましょう。
①子どもの心理的ストレスになることがある
子どもの興味がない習い事で無理やりを強要することは、お子様にとっての心理的ストレスになりかねません。集中力の過剰要求にも気をつけてあげましょう。
3歳児はまだまだお母さんから離れられない子が多いですし、親が思うようには動いてくれません。また人見知りのあるお子様だとなおさらストレスになりかねません。
お子様が楽しそうにしているか、無理なく集中できているかしっかりと様子を見極めてあげましょう。
②子どもの実態に合っていないことがある
そもそも習い事がまだ年齢に見合っていないということもあります。
3歳児といっても、この時期のお子様は【3歳0か月の子】と【3歳11か月の子】とでは、そもそもの大きな成長差があります。
また、成長には個人差もあるので一概にどの習い事が何才からおすすめとは言いがたいところがあります。
「3歳児におすすめの習い事」と言われていても、実際に自分のお子様の月齢や成長に見合っているかは先生に相談したり、お家の人が判断したりしてあげましょう。
③親の負担が増える
3歳児の習い事は基本「親子一緒に」です。
習い事をすることで、その前後の準備時間であったり、習い事の間、送迎時間などは拘束されてしまいます。
その前後の拘束時間も踏まえて、今の自分にとって習い事を始めることが負担ではないかどうかも考えてみましょう。
筆者のように産後の体調不良がある場合や、ワンオペで心に余裕がないといった場合は無理をしてまで習い事をさせる必要はありません。
④経済的な負担が増える
何と言っても習い事はお金がかかります。
自分一人で出来そうなことであれば無理に習い事をする必要はありません。
それでも社会性の素地を育てたい、自分では何かしてあげられる余裕がないといった場合は、お金を払うことを引き換えに習い事を選ぶという選択肢もあると思います。
ちなみにですが小さい子どもの習い事は収益性が高いと言われています。つまり幼い子ほど習い事は高コスパなのです。
幼い子どもの習い事ほど高コストパフォーマンスであるということについても見ていきましょう。
習い事は幼いうちから始めるほど収益率が高い?
3歳児は急激に脳や身体の発達が進み、出来ることが増えてくる時期。
他のお友達とコミュニケーションを取ったり、運動能力も発達して簡単なスポーツができたりします。
「習い事」のような教育投資は幼い子どもであればあるほど、収益率が高いというデータがあります。
下のグラフを見てみましょう。
脳の発達にも関連しますが、未就学児の間に始めた習い事は成長してから始める習い事よりも大きな効果があります。
全ては習慣化がポイント。
大人が歯磨きを毎日当たり前のようにしているように、勉強や運動を幼いうちから習慣化してしまうと、自然と学習する子、自然と運動する子になると言われています。
私の知っている方で東大に入ったお子様は、やはり幼いうちから「学習すること」を習慣化されていました。
実際にお母さまが「勉強をしなさい!」といった声掛けはあまりしなかったそうです。
3歳児におすすめできる習い事
この時期におすすめしたい習い事としては、親子のスキンシップが取れるものや子どもの興味があるものであること。
また、映像を使ったオンラインスクールのようなものより、できるだけ具体物で直接触れられ、五感や全身を使ってできるものがおすすめです。
よって以下の「習い事・サービス」をおすすめします。
①スイミング
スイミングでは、水中での運動を通じて、水の中での安全性や快適さを学びます。
3歳児からは一人で参加できる教室も多いはず。
水中で色々な動きをすることで、水中での自己制御や基本的な泳ぎの動作を体験させてあげることができます。
数少ない3歳児からでも一人参加できる習い事ということで、社会性の根っこも育ちます。
筆者の経験上、幼いうちに水への恐怖心を無くしておいてあげると、水泳でも泳ぎ方さえ教えてあげるとスムーズに泳げるようになる子が多い印象です。
②リトミック教室・ピアノ教室
音楽に親しむことでリズム感や音楽的な感性を育むことができます。
お母さんの傍で歌を歌ったり、身体を動かしたりすることで、小さなお子様でも楽しんで活動することができます。
教室によっては音楽教室・ピアノ教室が運営している教室であれば、そのままピアノを習わせたいと考えておられるご家庭に良いのではないでしょうか。
早い子であれば、ピアノを弾き始める子もいるのでお子様が興味を持っているならピアノ教室に移行しても良いですね。
ピアノは手先の細かい動きを必要とすることから、脳を育てる習い事とも言われていますね。
③通信教育
DVDの教材や、知育玩具を通した遊びを通じて社会的なスキルや認知能力を発達させることができます。
筆者の子どもも某通信教育をしていましたが、教員目線で見てもカリキュラムがしっかり体系立てて組み立てられているなと感じました。
よく研究された教材であることに間違いはありません。
年齢ごとの縦の繋がりと年間を通した横の繋がりを意識してカリキュラムが組まれているので、3歳児の成長に見合った教材が届きます。
④英会話教室
英会話教室についても、早期から英語をインプットしてあげたいと考える方には非常におすすめできます。
基本的にお子様の英会話教室はリトミックと英語を合わせたような内容であることが多いです。
お勉強というよりは、五感を刺激しながら英語に触れあえるといったものなので、幼いお子様でも無理なく楽しんでできる習い事です。
リトミックついでに英語耳を育ててあげるといった温度感でも十分学習効果があると考えます。
⑤体操
3歳児になると運動能力もだいぶ発達してきており、でんぐり返しができたりボール遊びができたりする子もいるかと思います。
運動が好きそうなお子様には幼児期からの体操教室は非常におすすめですよ。
体幹が鍛えられたり柔軟性が鍛えられたりするので、怪我をしにくい子になります。
私の娘も3才児から体操を始めたおかげで、年長の今ではブリッジ回転や側転、逆立ち歩きまで出来るようになりました。
勿論大きな怪我は1度もしたことありません。
⑥スポーツ(野球・サッカー・バスケなど)
体を動かすのが好きなお子様にはサッカーやバスケットのようなスポーツもおすすめです。
最近は地域によっては3才からでも始められるスポーツ教室も増えてきています。
各スポーツならではのテクニックは、幼いうちに身につけておくとスポーツを続けていく上でとても有利な技能となるでしょう。
こういったスポーツ教室では、礼儀や助け合う力なども身につけられるので幼いうちから学んでおくと良いかもしれませんね。
まとめ
3歳児に「習い事」はまだ早いと考えられがちですが、科学的には早期教育はお子様の発達にとても有用であることが分かってきました。
3歳児ということで「イヤイヤ期」に差し掛かっているお子様もいると思います。「イヤイヤ期」はお子様の自我が芽生え始めたことの印。
少しずつ自分で出来ることを自分でさせるアシストをしていってあげたい時期です。
習い事の合う・合わないは顕著ですし、体験してみないと実際にどうか分からないということもあるでしょう。
ですので筆者としては、まずは体験をさせてあげてみて、お子様の様子を見てから決めて欲しいなと思います。
3歳児の可能性は無限大。
是非お子様の好きを見つけてあげてくださいね!